毎月ゲストの方に、おすすめ本を3冊紹介していただくブクログ企画
「つながる本棚」。
「
漫画家編」「
ブロガー・IT有名人編」に続き、
「スペシャル編」がいよいよスタートいたしました!
記念すべき第一回目のゲストは、舞台・テレビで活躍中の俳優『
犬飼若博(いぬかいわかひろ)』さん。
「面白い脚本ってどうやったら書けるの?」をテーマに選んでいただいた3冊を紹介します!
ハリウッド映画の法則、「笑い」のテクニックについて...大変興味深い作品ばかりです。
著者:ブレイク・スナイダー
犬飼若博さんのレビュー:
最初に断っておきたいのですが、僕の仕事は脚本家ではありません。俳優です。ではなぜこんなテーマで本を紹介するのかと言えば、この文章を書くために自分の本棚を眺めていたら、この手の本がたくさん並んでいることにあらためて気付いたからなんです。どうやら僕は「面白い脚本を書いてみたいという欲求がある」らしいのです。そして今からご紹介する「SAVE THE CATの法則」も、そんな僕の願望を満たすために購入した一冊です。
この本は、いわゆるハリウッド映画の脚本術について書かれているのですが、まず僕が面白いと感じたのは、この本の著者であるブレイク・スナイダー氏のキャラクターです。彼はいかにもアメリカ人的で、売れる脚本を書くための法則を次々に断定していきます。例えば「きっかけを書くのは12ページ、絶対だ」のように。なんて潔い文章なんでしょう。ここまで言い切られると、その通りに書いてみようという気になるってものです。この調子で、氏は1ページから最終ページまでになにをどこに書いたらいいのか、全て解説(断言)してくれます。
法則を知って驚いたのは、多くの有名なハリウッド映画の脚本が、この法則にピッタリ合致して書かれていることです。かなりの衝撃だったので、他のハリウッド式脚本術の本も調べてみたのですが、ほぼ語られている内容は同じでした。しかもそれは、ページ単位、時間単位で決まっているのです。それは、これらの法則が、ハリウッドの長い歴史の中で蓄積され、分析されてきた集大成なのだということを感じずにはいられませんでした。
ただ、この完璧に見える法則にも、弱点がないわけではありません。それは、一定の法則に従えば、どの作品もどこか似たテイストになるということでしょう。近年のハリウッド映画を観ていると、前に観たような話だと感じることも少なくありません。しかしながら、基本を知らなければ応用もありえません。この本に書かれている法則を知っていて損はないですし、この本を読んだあとにハリウッド映画を観ると、エンターテイメントの歴史が培ってきた優れた法則を作品の中に発見する喜びを得られますから、この先、脚本を書く予定がない方であっても充分楽しめるのではないかと思います。
2冊目 エンタテイメントの書き方1・2
著者:柏田道夫
犬飼若博さんのレビュー:
この本は、教材となる映画作品をピックアップし、その作品を読者が観ることを前提に解説していくという構成になっています。映画の脚本を書くには、優れた映画を繰り返し観て、その構成や着想に学べということですね。良い映画をたくさん観るというのは、脚本を書く上ではとても大事なことだと思うのですが、「良い映画」とはどんな映画なのかということになると、意外と難しい気がします。普段、映画を観る時は、自分の好みで作品を選ぶので、どうしてもジャンルに偏りができますし、何千本もある作品の中から、良い映画、参考になる映画を選び出すのは至難の技です。ですから、そんな教科書となる作品を何十本もピックアップしてくれているこの本は、とても頼りになるのです。
逆に言うと、なにか映画を観たいけど、なにを観たらいいか分からない。お勧め映画を知りたいという時にも使えます。実際僕の場合、こっちの使い方の方が多かったような気がします。でも、なんとなく映画を観て、なんとなくこの本の解説を読んでいたとしても、後々それが頭のどこかで繋がって、自分の引き出しになっている、なんてこともありました。だから、今でも時々本棚から引っぱり出して、読み返したりすることがあるのもこの本だったりするのです。
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著者:元祖爆笑王
「笑い」というのは、脚本を書く上で大切な要素のひとつです。なのに、今まで「笑い」のテクニックについての本というのはあまり見当たらなかったように思います。この本は、そんな数少ない「笑い」の作り方の本です。基本的に漫才の作り方の解説本になるのですが、「笑い」の構造を解析してくれているので、パターンを知れば、脚本を書く上でも充分参考になるかと思います。僕の場合、芸人さんと一緒にコントをやる機会もあるので、そちらでもとても参考になりました。普段、無意識に面白いと思っていることでも、体系化して捉えなおすと、それを意図的に使えるようになるのです。
人を笑わせるというのは、とても高度なテクニックが必要です。そして、優れた脚本には、笑いの要素がふんだんに用いられていることが多く、それが物語に幅を持たせ、ラストまで観客をグイグイ引っ張って行ってくれるのです。ラストシーンで、人を感動させる話だから笑いは要らない、と考える人もいるかもしれませんが、笑いという違うベクトルが入っているからこそ、ラストの感動が大きくなっている作品というのはとても多いのではないでしょうか。もちろんお笑いをやりたい人に参考になるのは言うまでもありません。
本棚を眺めてみて、初めて「面白い脚本を書いてみたいという欲求がある」ということに気がついた犬飼さん。
みなさんも、ご自身の本棚を見返したら、なにか発見があるかも...?
さて、犬飼さんが書かれている人気ブログが書籍となって発売中です!ぜひ、ご覧ください♪
犬嫁日記―それでも君を愛してる
著者:犬飼若博
本体価格:¥1,050
自身のブログで人気連載中の「犬嫁日記」が書籍化され、「犬嫁日記〜それでも君を愛してる〜」と題してリンダパブリッシャーズより刊行!ちょっと変わった奥様と、犬飼さんの掛け合いがまるでコントのよう。イラスト付きで、読み応えたっぷりの1冊です!

1966年8月28日生まれ。立命館大学経済学部卒。俳優。1989年9月、劇団B級プラクティス(現MONO)の旗揚げ公演に参加。1994年7月、同劇団を退団するまでの5年間、すべての公演に携わる。劇団での活動と並行して、コントユニット「GOVERNMENT OF DOGS」にも所属。京都や大阪を中心に活動を続けていた。1999年3月、活動拠点を東京に移し、小林賢太郎の演劇作品「KKP」などの舞台公演に参加しつつ、TVドラマや映画など、映像作品にも多数出演している。2011年12月、
自身のブログで人気連載中の「犬嫁日記」が書籍化され「犬嫁日記〜それでも君を愛してる〜」と題してリンダパブリッシャーズより刊行された。
▼つながる本棚【スペシャル編】(アーカイブ)
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